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日々の雑感


by kotori-7864
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オペラ座の怪人

オペラ座の怪人 10月11日(木)

オペラ座の怪人          高井 治
クリスティーヌ・ダーエ       苫田亜沙子
ラウル・シャニュイ子爵      北澤裕輔

8月に行けなかったので、今回はとても楽しみにしていた「オペラ座の怪人」。
ところがこの日は朝5時起きだったので、開場と同時に席に着き、開演間近まで眠ってしまった。私の隣の中年女性も同じことをしていたので、静かで気分よく眠れたこと!
ありがとう、お隣さん!!

さて、オープニングの曲が始まると、もう昼寝どころではない。
この悲しい物語にのめりこみ、音楽の美しさにうっとりし、人間の声がこんなに高く美しく響くのかと感心し、時には涙ぐむといった、いつもの行動パターンにすっぽりはまってしまった。

高井さんの怪人はいつも通りすご味と圧倒的な声量を聴かせてくれる。
北澤さんのラウルも、見慣れてきたのか、素敵な二枚目が板についてきた。
そしてクリスの苫田さん。
期待していた佐渡さんではなかったが、歌唱力があるので、安心して聴いていられる。
ただ、もう少し可憐さや細かな心の揺れ動きが表現できればいいんだけど……ね。

今回、観ていて感じたこと。
前回は女性の気持ちに立って観ていたが、もう一度怪人の立場に戻って考えてみた。
一度はクリスティーヌの気持ちを自分に向けたかのように見えた怪人だが、結局は彼女をラウルの元に返してしまう。
力づくでは愛を得られないと思ったのだろうか。
クリスティーヌにキスをされた時、怪人にふと湧き上がった心、それは自分でも思いもかけない父性のようなものだったのではないか。
温かい肌に触れ、唇に触れ、頑なだった心が溶けていく。
その触れ合いの中で怪人がやっと人間らしい心を取り戻す。
それが、悲しいかな、別れの時だった。

「行ってくれー」という最後の言葉にもそんな気持ちがこもっているように感じられ、私はいつも以上にボロボロ泣いてしまった。

いやー、泣きたい時は「オペラ座の怪人」ですね。

音楽と生の声を聞くだけでも価値がある。

これからも大阪で長く公演してもらいたいな。
by kotori-7864 | 2007-10-13 22:15 | 演劇